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ガタガタ鰯太郎A

〜鰯太郎Aは二度死ぬ〜

バグダッド・カフェの感想(若干ネタバレあり)

 バグダット・カフェを見た。開始5分ほどでどこかへ連れて行かれてしまった。変な感じのカット割り、固定されたカメラが捉える荒涼とした風景。映像を細切れにして0.5秒ぶんだけ入れ替えたような、変なカクカク感でバックする車。それから、画面全体が青っぽく点滅しながら走り去っていく車の荷台に乗った魔法瓶。奇妙な映像感覚に引き込まれてしまう。

 バグダッド・カフェの映像は、旅先の心もとない感じが支配している。見ていて、夕暮れ時に理由もなく不安になっていた子供の頃のことを思い出した。大人になる過程でいつの間にかそういう怖いものに蓋をしたように考えていたのだけど、居場所がない、友達がいない、帰る家がない、そういう心細いときに、その蓋が開いてしまうことがあるのだ。

 大人になるにつれて精神的に強くなったと思い込んでいるけれど、もしかして、勘違いかも。大人になったから夜が怖くなくなったのではなくて、自分が一人ではないことを知ったから心が強くなったように錯覚していたのかもしれない。自分を知る人が誰も居ないところに行ったら、また夜は怖いんじゃないか。また、死ぬのが怖くてたまらないんじゃないか。

 俺がそういう連想に至っただけで、見てて死の恐怖を感じるような怖い映画では全然ない。ストーリーとしては居場所を見つける物語だし、帰る家ができてよかったねというところで終わる。でも、妙に寂しい。寂しいんだよ。主人公はドイツからアメリカに来ている旅行者なんだけど、旅情、っていうよりも流浪、って感じで、ディアスポラ?精神的な難民?とでも言えば良いのか。とにかく孤独、という言葉がキーワードだと思います。そういう主人公が、徐々にバグダッド・カフェの住人との距離を縮めていって家族同然の関係になり、けれど、最後まで何か決定的なピースは埋まらない(と俺は思っている)物語です。

 

 曲は映画とは全然関係ないけど、これくらい物悲しかったですよ、ということで。


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