その所、凶暴につき

　Georgeは屏風に上手にJAWSの絵を描いた。滴る血と割ける肉が生々しく、鉄と有機物のむっとする匂いが立ち込めるようだった。障子にMaryの肉片がこびりついている。Georgeの召喚したJAWSに食われたのだ。当然、一休にも意地がある。青ざめた表情で重々しく口を開くと、「その鮫を、屏風から追い出してください」とだけ告げた。一休はとんち王としての矜持と共に世田谷の地で潔く散るつもりだったのである。（つづく）