猥雑
川村君とカーティスのライブを見に、湯島まで行った
最近、湯島、御徒町、末広町を頂点とする三角形周辺の土地勘が身についてきた
少々ゴチャついているが、安くて美味い焼肉屋があるので大変良い街だ
春日通りの一本裏、上野広小路と湯島の間には、大変な数のキャバクラが立ち並ぶエロっぽい通りがある
ライブにも、はっきりくっきり同伴といったニュアンスの、男2女2のお客が居た
私は自分でテンションをコントロールできないし、「ノリ」とやらを解さない「ノリの悪い」人間だ
だからキャバクラを楽しむことはできないが、猥雑な空気の街は活気があって好きだ
人がニギニギしているのを見ると気持ちが誘われて、酒を飲んだ時のようにふわっとする
翌朝、「あれよ星屑」を読んだ
だいぶ前、山田参助の名前と絵が西原理恵子の漫画の中で紹介されていたことがある
だから変態らしいとは知っていたのだが、ただの変態ではなかった
「あれよ星屑」は、変態がグツグツ煮込んで生まれた凄い漫画だ
この漫画が広く一般に評価を受けているのだから、なんとも嬉しいじゃないか
変態万歳で、PTA反対だ
敗戦直後の東京には、猥雑なエネルギーが溢れていたのだろう
整理されていないこと、つまり混沌、グチャグチャの人間が生み出す熱の渦だ
いまや私は、整った街で、整った顔で、整った飯を食い、整った糞をして暮らしている
整えたところで、糞は糞なのに、という思いもある
人間の営みを一生懸命整えて、汚らわしいもの、醜悪なものに目隠しをする
文明の進歩だ、人類の発展だ、そう言える側面もある
しかし、大便にシャネルの香水をぶっかけて悦に入っているような連中があまりにも多い
堕落せよ、と坂口安吾が吼えている