ガタガタ鰯太郎A

〜鰯太郎Aは二度死ぬ〜

The Acid House (映画)

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 ALISON兄貴大好き。ただ、僕はクリーンです(半ギレ)

 アシッドハウスというと音楽の方が先に連想されますが、タイトルからも分かるとおり、セカンド・サマー・オブ・ラブを時代背景とした映画です。「トレインスポッティング」のアーヴィン・ウェルシュ原作の短編オムニバス。スパッド役を演じた彼は、今回もジャンキー・ココ役で登場。表情もご覧の通りです。

 荒れたスコットランドの雰囲気はトレインスポッティングと共通ですが、やさぐれ度は断然アップ。サッカーとエールとセックスとドラッグくらいしかやることがない閉塞した社会で、底辺の若者が抱くことができるような希望などそもそも全く無い、どん詰まり感がひしひしと伝わってくる。

 それなのに、超投げやりな神(見た目は底辺労働者で、飲んだくれていて、ただのクズなんだけど本当に神)がパブで飲んでたり、落雷に打たれたショックで生まれたての赤ん坊と人格が入れ替わって「仁義無き吉田家」状態になってしまったりと、かなりファンタジックに荒唐無稽で楽しいです。中途半端な善人とかが全然出てこないため、ウェットになっていないのも大変爽快。2つめの短編に出てくる主人公はキリスト教的「愛」を体現してるような男ですが、それ以外が全員綺麗にクズ。救いが無いのが救いです。

 ガンギマリのココが公園の遊具でグルングルン回りながら、ケミカルのLeave Homeをバックにビッキビキになってるシーンがありまして、すごい好きなんでgifアニメに貼っときますね。

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 トレインスポッティングは作中に登場するドラッグも画面の雰囲気も、要するにヘロインでしたが、こっちはLSDでした。お袋は加速する、周りの音はでかくなる、神経が冴えまくってしまって自分の額をこするとスクラッチ音がする始末。

 どいつもこいつもどん底のどん底なんだけど、ヴィヴィッドに生きているという空気がすごい良い。