ガタガタ鰯太郎A

〜鰯太郎Aは二度死ぬ〜

ビックコミックスピリッツ(2013年47号)

サイドカーに犬」を見終わったらタバコが切れてしまい、近所のコンビニへ買いに出た。十字路に差し掛かったときに、「ニュッ」と車が出てきた。一斉に。左右、正面、それから後方から追い越していく自転車も、何故かタイミングを合わせたように視界にフレームインしてきて、それでキャプテン翼2を思い出した。ディフェンダーの影がスッスッスッと出てくる感じと似ていた。俺のガッツが足りないのだろうか。

 風邪を引いている。不健全な肉体に腐った左翼みたいな精神が宿り、俺だけ風邪を引いているのは不公平だから、日本中風邪を引けというようなことを喚き立てている。それができないのならば、風邪を引いている俺に、はやく・・・補助金を出すのだ・・・!細かいことをゴチャゴチャといいましたが、要するに・・・まあお互い落とし所ッちゅうかね・・・ヘヘッ・・・(歯が抜けている)

 左翼と言えば、スピリッツが大変。いや、スピリッツ自体じゃないんだけど、美味しんぼが好き勝手やってて、あれを見ているとクッキング・パパから無差別に放たれるうえやまとち先生の電波エネルギーは(それはそれで鬼気迫るものはあるのだが)無害なもんだなあと、なにかうえやま先生に対する温かい気持ちが湧いてくる。くるですバイ。

 それはそれとして、スピリッツ連載陣はいま、けっこう凄い。相当な実力派揃いだ。若手では王様達のヴァイキング(さだやす)、くーねるまるた高尾じんぐ)、あさひなぐこざき亜衣)、みどりの星(真造圭伍)、中堅ではおやすみプンプン浅野いにお)、アイアムアヒーロー花沢健吾)、ベテラン勢も白暮のクロニクル(ゆうきまさみ)、ラストイニング中原裕)とタマが揃っている。これで発行部数が伸びないのが不思議だ。

 まあ、スピリッツがメジャーになりきれないのは仕方が無いとも思ってはいる。今週は巻頭がまどか☆マギカとどっかのアイドルがコラボしたグラビアだったり、松尾スズキのコラムが載ってたり、クリームソーダシティ(長尾謙一郎)のような漫画を載せちゃていて、いったい誰に読んでもらいたいのかがさっぱりわからない。俺に読んでもらいたいのだろうか。確かに俺は読みたいけども、でも多分あんま売れねえですよそんな雑誌。

 クリームソーダシティはすごく良い。毎週死ぬほど笑えるコマが1つか2つあって、キチガイ成分とポップさのバランスがちょうど良い。こういう狂った分隊長が率いる非正規戦部隊みたいな漫画が載ってるのは嬉しい。嬉しいんだけどね。

 ヤンジャンヤンマガは「バカな男子に売っていきまっせ」というのが本当にはっきりしていて、グラビアはパイオツ優先だ。一見すると無茶苦茶なようにも見える連載陣も、萌えにしろ喧嘩で成り上がるにしろギャンブルするにしろ、頭の悪い男子が読みたがるという点で実によくまとまっている。スピリッツとは逆に、節操の無さが上手く機能している。その上、パイもデカい(駄洒落ではない)から、部数はどちらもスピリッツの3倍ほどだ。(http://www.j-magazine.or.jp/magadata/?module=list&action=list

 とにかく、スピリッツはもう少し売れてほしいなあと思う。まずはホイチョイ・プロと雁屋哲先生あたりをオリジナルに移籍させて、昭和臭さを脱臭することから始めてみてはどうだろうか。